f8 AE(1/100) -0.3 AWB ISO800 焦点距離 24mm
駐車場の脇にある、見落としてしまいそうなほど小さな入口から入ると、数歩歩くだけで世界が一変します。まさに森の中に足を踏み入れたような感じでした。雨上がりで空は暗く、静かに佇む古木と緑だけがそこにはありました。当然誰もいません。そんな状況ですから、たくさんの木々が踊っているようにも見えました。同じ方向に枝を広げている3本を、主題にしています。

2017年を代表する1台「α9」が衝撃的なデビューを飾ったソニーから、新たに超広角レンズが発売されました。Eマウント最広角となるFE 12-24mm F4 G(SEL1224G)です。初めて確認したときの第一印象は、「ずんぐりむっくりしていて小熊みたいだな ! 」というものでした。大きいというイメージが強い画角ではありますが、長さは117.4mm、重さは565gです。機動力をいかした広角撮影をしたかったので、FE 12-24mm F4 Gだけを持って出掛けてきました。

向かった先は群馬県。前橋市にある「赤城森林公園(赤城ふれあいの森)」を散策しました。さほど広いところでもないのですが、たっぷりと森林浴ができます。とはいうものの、朝からずっと雨が降ったりやんだりで、どんよりしていました。しかし、木々の緑は雨に濡れてコントラストが高くなり、ときどき霧も出て幻想的なードを演出してくれました。短時間ながら大いに楽しむことができたのです。超広角一本だけでしたが、それでもう必要十分以上でした。

空に向かって堂々と枝葉を広げています

f8 AE(1/80) +0.3 AWB ISO1600 焦点距離 15mm

空に向かって堂々と枝葉を広げています。緑が映えますね。SONY FE 12-24mm F4 Gのレンズ構成は13群17枚ですが、それと感じないほど軽量です。持っていて苦にならないので、撮り歩きにも適しています。雨がぽつぽつ降ってくることもありましたが、防塵・防滴仕様なので安心して使うことができました。画面隅々まで、安定したコントラストの高さを見せてくれます。

霧が立ちこめてきました

f8 AE(1/250) +0.3 AWB ISO1600 焦点距離 19mm

たっぷりと水を含んだ土の道を歩いていると、霧が立ちこめてきました。とても幻想的な風景が広がり、しばしファインダーに釘付けになっていました。コントラストの低下する条件ではありますが、芯はしっかりしています。解像度が高いので、葉の1枚1枚までしっかりと確認でき、この画面にいったい何枚あるのか数えられそうです。いいシーンに出会えてラッキーでした。

ここから新緑が降り注ぐ、そんなイメージ

f8 AE(1/125) +0.7 AWB ISO1600 焦点距離 18mm

こちらも霧の立ちこめる中での撮影でした。左下から突き出した木の枝が、空に向かって分かれています。ここから新緑が降り注ぐ、そんなイメージで構図を作りました。それにしても、素晴らしい風景でした。独占できたのはちょっと贅沢すぎると感じたほどです。SONY FE 12-24mm F4 Gを使ったのはこの日が初めてでしたが、操作性の良さにすっかり馴染んでしまいました。

3本がそれぞれにポーズを取っているよう

f8 AE(1/125) +0.3 AWB ISO1600 焦点距離 15mm

これまた霧のシーン。高く聳える3本の木が、上からこちらを眺めているように感じられます。よくよく見てみると、3本がそれぞれにポーズを取っているようで面白いですね。SONY FE 12-24mm F4 GのAFは素早く静かです。静止画、動画ともにストレスがありません。花形固定式のフードはやや短いので、首からぶら提げて歩く際などには、注意が必要なシーンもあります。

広角端12mmでの撮影

f11 AE(1/60) +0.3 AWB ISO2000 焦点距離 12mm

広角端12mmでの撮影。遊歩道の両側は木で覆われています。まさにここを歩いていたわけですが、こうして超広角で眺めてみると、肉眼ではとても表現できないダイナミックな風景を感じ取ることができます。画面中央、少し左側のところにある枝がなかなか不気味なのですが、これがあるからこそ風景が面白くなると思い、目線がまずそこに行くように構図を作っています。

太い木の幹を24mm側の開放で狙ったカット

f4 AE(1/400) -1 AWB ISO2500 焦点距離 24mm

太い木の幹を24mm側の開放で狙ったカット。被写体との距離が近くて、背景との距離が離れていれば、円形絞りによるボケの効果も高いです。そして、表面の質感も見事に描写してくれました。ピントは幹の中央やや右寄りに見える、茶色い枯れ葉に合わせています。SONY FE 12-24mm F4 Gは円形絞りを採用しているので、花の撮影などでも大いに活躍してくれそうです。

逞しく葉を広げているシダがとても美しい

f4 AE(1/80) -1 AWB ISO2500 焦点距離 14mm

こちらも絞り開放での撮影。水をたっぷり含んだ、土の雰囲気が大いに興味を惹きました。そして、逞しく葉を広げているシダがとても美しいと思ったのです。画面左側の木をもう少しだけ入れたかったのですが、そうすると別の葉が入ってしまうので、それをカットするギリギリのところでフレーミングしています。広角を持っていなかったら、気付かなかったかもしれません。

この古木が、園内で最も大きかった

f5.6 AE(1/40) -0.7 AWB ISO2000 焦点距離 24mm

この古木が、園内で最も大きかったです。やはり目立つ存在でして、行きも帰りも撮影しました。この枝の広がり振りを見ていると、「ダンサーが踊りを終え、ポーズをキメている瞬間」のように感じてしまうのです。そこで、周りに小振りの木々を配して、ステージのように撮ってみました。後ろの木たちは引き立て役ですね。眺めていると、今にも動き出しそうに見えるのです。

栗の原生林

f8 AE(1/200) +0.7 AWB ISO2000 焦点距離 13mm

赤城ふれあいの森近くでは、栗の原生林も見ることができます。その中でも最も知られた存在なのがこの「クリ太郎」です。樹齢数百年、緑に囲まれて、堂々とした佇まいを見せていました。このクリ太郎の風景、とても絵になります。この角度からが最も好みでした。もし子供の頃にここを知っていたら、まず間違いなく「秘密基地」にしていたと思います。素敵な空間でした。

SONY α7RII+FE 12-24mm F4 G
SONY α7R IIに装着したところ。ボディの底面と、レンズフードの底のところが一直線上に並んでいます。このため、とてもホールディングしやすいのです。鏡胴に設けられた「くぼみ」は、ストッパーの役割を見事に果たしてくれます。とても軽快で、使って楽しいレンズでした。

さて、このFE 12-24mm F4 G(SEL1224G)。高級タイプの「GM」という称号は与えられていませんが、非球面レンズ4枚、EDガラス3枚、スーパーEDガラス1枚を採用し、色滲みやフレアー、ゴーストを抑えています。とても持ちやすいのが特徴的で、α7RIIに装着すると、左手の小指と薬指が自然とレンズ後方をしっかりホールディングする形になります。ズームリングのトルクは適度で、重すぎず軽すぎずというところ。引っかかりもありません。スムーズかつ細かく画角を決めることができました。これは大いに助かります。一体型のフードは少し短いような気もしましたが、小型のバランスは取れていると感じます。肉眼で見えている隅々までの風景が、ファインダーを覗くだけで手に入ってしまいます。当たり前の話ですが、実際これを体感すると、実に感動的です。撮影中に霧が出てきたときは、夢中で狙っていました。ただし、被写界深度がとても深いので、レンズ表面に付着するゴミなどには注意したいです。

この画角ですから、AFの速さや正確さは言うまでもないでしょう。ミラーレスの大きな武器である小型軽量はもちろんですが、色の美しさとコントラストの高さがバランスされた、写りの良さも自慢です。ファインダーを覗くだけでも、迫力のある画面が楽しめます。フジヤ価格で?194,040(平成29年7月7日現在)と、さすがに安価というわけではないですが、買って損はないと思います。風景撮影をメインに考えているなら、ぜひ持ってほしい1本です。正直、病み付きになりそうな魅力があります。使っていて、時間を忘れるほど楽しかったですね。

■撮影場所
赤城ふれあいの森 http://www.gunmori.or.jp/park/archive/category5094.html
※クマの目撃情報があるため、一部エリアが立ち入り禁止になっています。

Photo & Text by 高山景司
※撮影は手持ちで行っています。クリエイティブスタイルは風景に設定。

FE12-24

SONY?FE 12-24mm F4 G?(SEL1224G)
http://www.sony.jp/ichigan/products/SEL1224G/
2017年7月発売
レンズ構成:13群17枚
最短撮影距離:0.28m
フィルター径:装着不可
質量:約565g
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