梅ヶ瀬渓谷

f1.2 AE(1/1600) -1 AWB ISO2000
梅ヶ瀬渓谷は、千葉県市原市にあります。養老川の支流、梅ヶ瀬川が丘陵を浸食してできました。川幅は4.5m。道の両側には、梅ヶ瀬層と呼ばれている断層が約80mに渡っていて、自然の芸術美を楽しむことができます。歩きながら、気になるものを撮っていきました。苔の模様が雪の結晶のようです。開放f1.2で撮りましたが、きっちり解像しました。なだらかなボケも魅力的。

今回のM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROについては、まず結論から先に書いてしまいましょう。「はい、このレンズ買っちゃいました ! 」オレため第37回で取り上げた12-100mmと迷ったのですが、ほぼ一目惚れだったこちらに決めました。発表された時点で、既に大きな興味を抱いていたのです。小型軽量が最大のウリであるマイクロフォーサーズなのに、そんなにたくさんレンズ枚数があって大丈夫 ? というのが最初に感じた印象だったのですが、実機を見たら単純にカッコいい。結局その第一印象が決め手になりました。もともと25mmという135mm換算で50mmになる画角は好きなので、それこそ試す前にもう決めてしまいました。というわけで、今回は「オレが買ったレンズの試し撮り!」ですね。1日使ってみました。

確かに、マイクロフォーサーズのレンズの中では大きなほうに入るでしょう。大口径ズームや望遠ではなく、標準画角のレンズです。それでも、重量は410gに抑えられました。EDや非球面といった特殊レンズ8枚を含めた、19枚のレンズを使用する贅沢なつくりです。これを、愛機のOM-D E-M1に装着して、フォトハイクに出かけました。場所は千葉県市原市にある梅ヶ瀬渓谷です。午前7時半から午後2時半まで、トータル7時間。このカメラとレンズを持って渓谷を撮り歩きしました。大きいといってもそこはマイクロフォーサーズ。楽しめましたよ。

キラキラ輝く水面

f5.6 AE(1/80) -1 AWB ISO1000

川を歩いていたら、水面がキラキラしていました。なんと黄金色に輝いています。これは面白いと思って撮影開始。タテ位置で撮ると輝いていないところまで入ってしまうため、これをカットする意味も兼ねて、ヨコ位置で狙っています。ピントは中央奥にある岩に合わせました。手前の水面がゆらゆら揺らめいているように見えます。PROの名に恥じない、立体感のある描写です。

大きな銀杏の木

f6.3 AE(1/80) -1 AWB ISO2000

途中で見かけた、大きな銀杏の木。四方八方に枝が伸びている様子はちょっと不気味でした。この木の根元にはたくさんの銀杏の葉が落ちていましたが、木の幹には引っかかって落ちていない葉もたくさんありました。「まだまだ ! 」と踏ん張っているようで、逞しさも感じました。色あいとコントラストが高い次元でバランスされている描写には、惚れ惚れしてしまいます。

落葉した紅葉

f5.6 AE(1/125) -1 AWB ISO1000

落葉したもみじがたくさん降り積もっていました。前日までの雨がまだ乾いておらず、しっとりした雰囲気を演出しました。秋の色ですが、一抹の寂しさもあります。そんな状況でしたが、1つだけまだ輝きを失っていなかった葉を発見。そこに焦点を当ててみました。50mmの画角は寄ったり引いたり、様々な表現ができるのでとても面白いです。そして、撮影者の思いにきちんと応えてくれる25mm F1.2 PRO。初めて使いましたが、この日だけで大きな信頼感を抱きました。

千葉県屈指の紅葉の名所、日高邸跡

f6.3 AE(1/125) -0.7 AWB ISO1000

千葉県屈指の紅葉の名所、日高邸跡。九州高鍋藩出身の教育者、日高誠実が明治21年に梅ヶ瀬書堂をここに開校し、近隣の生徒を指導したそうです。現在の屋敷跡に聳えるかえでの大木を撮ってみました。残念ながら紅葉は過ぎていましたが、重厚な雰囲気には圧倒されます。画面下の落ち葉をたくさん入れて、季節感を出しました。撮影時、周囲に設置されているベンチには観光客が複数座っていて画面に入ってしまう状況でした。これらをすべて木の幹で隠しています。

せせらぎの階段

f8 AE(1/40) -0.7 AWB ISO1250

渓谷にある「せせらぎの階段」と呼ばれているところ。3段になった小滝は風情があり、背景にはなんとか黄色い紅葉も残っていました。ちようどいい位置に小さな岩があり、その上に乗って撮影しています。とはいっても乗ったらギリギリで、しかも小刻みに揺れています。「このままバランスを崩したら間違いなく水の中に落ちる。自分はいいけどカメラは濡らせない。よし、落ちるときには手を伸ばしてカメラだけは守ろう。」撮影中ずっとそんなことを考えていました。

「せせらぎの階段」からしばらく歩くと、再び小滝に出会いました

f 6.3 AE(1/200) -1.3 AWB ISO2000

「せせらぎの階段」からしばらく歩くと、再び小滝に出会いました。少しだけですが陽が差し込んでいて、揺らめく水面に紅葉も映っています。これと落ち葉、滝を絡めたかったので、あちこち立ち位置を変えて狙いました。背景には倒木と紅葉を入れています。この写真を撮っている時に左足の指がつりまして、我慢しながらシャッターを押しました。25mm F1.2 PROの軽さと機動力の高さがなければ、何度も場所を変えてまで撮ろうとは思わなかったかもしれません。

木々に散らばった落ち葉

f5.6 AE(1/100) -1.3 AWB ISO2000

木々に散らばった落ち葉を撮影。雨の影響が残っており、しっとりとした雰囲気になりました。葉の1つ1つがハッキリと解像しています。今回のハイキングルートでは、最初のうちは明るく舗装された道を歩いていたのですが、渓谷に入ると一気に暗くなりました。そのため、ISO感度を上げて撮影しています。大きく伸ばすこともないし、カメラの高感度性能が良いので、ISO感度は高くして撮影することのほうが多いです。それに疑問を感じたこともありません。

この木はいつ倒れてしまったのだろう

f5.6 AE(1/125) -1 AWB ISO800

この木はいつ倒れてしまったのだろう。まずそんなことを思いました。立派にキレイな姿を見せてくれているのに、なぜか根元から折れていました。まるで執念の紅葉です。背景に立っている別の木の様子は、なんだかこの倒れた木を気遣っているようにも感じます。この姿は、やってくる観光客の皆さんの目にも当然留まり、ここで撮影している方も多く見られました。肉眼の視野ではギリギリでしたが、構図に木の根元が入るところまで下がり、なんとか撮影できました。

向こう までの道を、落ち葉がびっしりと覆っているように見えます

f5.6 AE(1/125) -1.3 AWB ISO1600

帰り道を歩きながら、ふと思い立ちローアングルで狙ってみた光景。不思議なもので、向こうまでの道を、落ち葉がびっしりと覆っているように見えます。実際はそうでもないのですが、レンズを通して眺めると周囲まで落ち葉が広がっているように感じます。なんとも面白いシーンを見つけたと思いました。25mm F1.2のふんわりと柔らかなボケは、立体感のある描写を見せてくれます。こうして7時間のフォトハイクは終わりました。いいレンズ。またどこかに連れて行きたいですね。


25mm F1.2 PROを愛器OM-D E-M1に装着。大きなフード、鏡筒のブルーライン。とても持ちやすく、しかもカッコいいです。ボディも軽いので、長時間持ち歩いても苦になりませんでした。最短撮影距離は30cm。けっこう寄れますね。フォーカスリングを手前に引くと、素早くマニュアル撮影に切り替えられます。

しっかりした印象の大型フードをカチッと装着して出発。歩きながら、気になった風景をどんどん撮りました。肉眼とほぼ同じ視野で撮影できるので、今見ているそのままの風景を、写真に記録しようという気持ちになりました。狙ったところに素早く合焦してくれるAFにはとても信頼感があります。そしてこの25mm F1.2 PRO、AFの作動音がほとんど聞こえません。耳を澄ましてようやく確認できる程度です。これにはビックリしました。首からカメラをぶら下げてずっと歩いたのですが、重さが苦になることはなく、撮影するのがとても楽しかったです。

撮影するためにしゃがんだり、泥の中に脚を踏み入れたりしたので、ズボンの裾や靴が泥だらけになりましたが、とても有意義な時間を過ごせました。帰って写真を確認してみたら、この日に肉眼で見て感じた風景がそのまま残っていました。シャープなのは言うまでもないですが、なだらかなボケがふんわりした柔らかさを醸し出していて、これがとても良かったと感じました。色や明暗のメリハリもハッキリしています。これは大きな戦力になりそうです。今後もあちこち連れて行って、このレンズを使ってたくさん写真撮っていきたいと思っています。

■撮影場所
梅ヶ瀬渓谷
http://maruchiba.jp/sys/data/index/page/id/3396
(2016年12月2日取材)

※撮影はすべてJpeg、手持ちで行っています。ピクチャーモードはナチュラルに設定。
Photo & Text by 高山景司

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO


OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
https://www.olympus-imaging.jp/product/dslr/mlens/25_12pro/index.html
2016年11月発売
レンズ構成:14群19枚
最短撮影距離:0.3m
フィルター径:62mm
質量:?410g
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「オレに試させろ!」第1回- 第30回
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