井の頭自然文化園「リスの小径」

f8 AE(1/800) -0.3 AWB ISO800
井の頭自然文化園での1番人気はリスでした。「リスの小径」という放し飼いにされているスペースに入って観察できるところです。実際はお客さんがいっぱいで、観察どころではありませんでしたが。上手に煮干しを両手で持って食べています。コントラストがなかなか高めで、ピントも目に合わせることができました。思っていたより良かった、というのが正直なところです。

フジヤカメラ店本店2階の一角に、マニュアル機材のコーナーがあります。ここで最近、気になるレンズがありました。そこそこの期間並んでいるのに、ほとんどお呼びがかかりません。お客様からの「見てみたい」というリクエストもなく、寂しそうにぽつんと佇んでいました。プライスはなんと、税込み540円 ! それでも興味を持ってすらもらえない。気の毒になってきました。

話はこれと全く関係ないのですが、「松屋」の朝定食が好きです。種類も豊富ですし、小鉢も選べるから複数のおいしさを楽しめます。最もよく注文するのはソーセージエッグ定食(小鉢納豆、ご飯特盛)なのですが、これがピッタリ500円というのも嬉しいです。そう、つまりはこのレンズとほとんど同価格なんですね。そこで、1回分と考えて手に入れてみようと思い立ったのです。

ちょっと眠そうな雰囲気

f5.6 AE(1/640) -0.3 AWB ISO1600

こちらはちょっと眠そうな雰囲気ですね。近寄ってアップで、少しローアングルから狙ってみました。解像の話をしてしまえば、大昔のレンズですからアラもいろいろ見えてくるでしょう。とはいえ、このふんわりした柔らかさは悪くない、そう感じました。けっこう寄ったのだけど、レンズの口径が小さいことも理由か、リスはそのままの体勢でいてくれました。助かったな〜。

まるで「カオナシ」のよう

f8 AE(1/640) ±0 AWB ISO800

フジフィルム FinePix S5Proは、レンズ情報をカメラに登録することにより、一部のデータを残すことができます。絞り値やシャッタースピードはこれでわかるのですが、ズームの使用焦点距離は不明でした。ただ、この写真は遠くにいるカモシカを狙っているので、おそらく210mmです。キャッチライトが入らないタイミングで撮ってみたら、まるで「カオナシ」のようでした。

好天に恵まれ、桜が満開を迎えました

f 8 AE(1/3500) -0.33 AWB ISO1600

好天に恵まれ、桜が満開を迎えました。井の頭公園は大混雑ですが、400円の入場料がかかる自然文化園では見るのも撮るのも余裕がありました。この写真を等倍で隅々まで見たら、そりゃぁ解像度は低いでしょう。でも、全体を見てみると、なかなか悪くない雰囲気が出ていると思ったのです。これは好みの問題もあるでしょうけど、40年近くも前のレンズ。頑張ってくれました。

マーラ

f4 AE(1/800) +0.3 AWB ISO800

檻が狭いマーラのところは、210mm程度ではどうしても檻のラインが残ってしまいます。なんとか手前で取れないかと思い、何度か立ち寄ってみました。すると、ようやくいいタイミングで撮れたのですが、なんと、ポカポカ陽気でとても眠たそう。開放だから、というわけでもないと思いますが、手前の草の周辺は、パープルフリンジがかなり強いです。これはご愛敬ですね。

気持ちよさそうなタヌキ

f5.6 AE(1/3000) -0.7 AWB ISO1600

こちらも気持ちよさそうなタヌキ。草を枕にしてお休み中でした。陽が当たると、古いレンズとはいえコントラストがしっかり強くなってきます。このあたりはさすがタムロンだと思います。色合いもよい感じですね。とにかく軽いので、軽快に振り回せます。加えて、マクロ機能が内蔵されているのも助かります。最短撮影距離は0.9m。この時代でこれを実現していたんですね。

ペンギンがちょっとだけ顔を覗かせていました

f8 AE(1/900) +0.3 AWB ISO1600

ペンギンがちょっとだけ顔を覗かせていました。様子を伺っているのか、ちょっと心細いのか、表に出る勇気がちょっとだけ足りないのかなど、いろいろ考えてしまいます。そんなところをズームで切り取ってみました。ピントは目元に合わせているのですが、カメラも含めてピント合わせは思っていたよりもやりやすく、また位置も掴みやすかったですね。使いやすかったです。

桜の木をクローズアップ

f8 AE(1/4000) -0.3 AWB ISO1600

最初に載せた桜の木をクローズアップしてみました。2つの大きな木の枝が主題になっています。こちらも適度に柔らかく、それでいて空の青と花のピンクはしっかりと写してくれました。モニター越しで「おっ、意外とちゃんと撮れる ! 」と思っていましたが、良い意味で裏切られました。レンズ本体はとても頑丈そうで、現代のそれとは質感が大きく異なるのも楽しいです。

オシドリの♂が羽で水を立てていました

f8 AE(1/350) -0.7 AWB ISO800

自然文化園のすぐ近くにある分園(水生物園)では、多数の水鳥を飼育しています。バシャバシャ音がするのでふと見てみたら、オシドリの♂が羽で水を立てていました。動きがとても早くて、マニュアルレンズで追うのはかなりナンセンスです(笑)連写はせず、1コマ撮りでどこまでやれるか試してみたのですが、これが精一杯でした。 それでも、動きはお見せできたかな。

ふと気になった噴水

f8 AE(1/640) -0.3 AWB ISO800

井の頭公園に移動して、ふと気になった噴水を撮ってみました。光の状況次第で、ちょっとした悪戯ができそうですね。こうしたところも含めて、古いレンズの面白さを感じることができたら、きっと表現できる世界も広がるでしょう。正直なところ、最初思っていたよりも遥かに撮っていて楽しかったし、操る面白さも体感できましたよ ! なんたって540円なんですから。

FUJIFILM FinePix S5Pro + タムロン80-210mmF3.8-4 103A

こうしてやってきたのが、タムロン80-210mmF3.8-4。1981年に発売され、1987年まで製造されました。10群13枚のレンズ構成です。ズームは直進式。フィルター径は58mmで、重さは634gとかなり軽量でした。価格はメーカー定価で52,000円ですが、当時のタムロンマニュアルレンズはマウント交換式で、カメラメーカーごとのマウントを別売5,000円で購入する必要がありました。ニコンマウントを装着し、このレンズで試すにはこれがいいと思ったのは、フジフィルムのFinePix S5Proでした。さして大きな理由はないのですが、直感的にそう思ってしまったのです。

撮影は3月25日、フジヤカメラ店からも近い井の頭自然文化園で行いました。折しもこの日は、「桜の満開予想日」と指定され、しかも天気がとても良かったので、園内はたくさんの親子連れなどで大賑わいでした。文化園で飼育されている動物のほか、桜の写真も撮影することができ、とても楽しく写真を撮ることができたのです。ズームリングはとても軽めですが、だからといってスカスカ動いてしまうということはなく、フレーミングはしっかり作れます。540円という価格から入ったということもありますが、ピントはしっかり合わせられるし、絞りのクリック感も問題なしで、操作面には何の不満もありません。撮影する楽しみを想像以上に得られました。

商品のタグには「クモリ ホコリ」と記載がありました。確かにその通りで、レンズの中には相応のクモリが確認できます。光の強い状況で撮影すると、色収差もハッキリ出ます。しかし、そんなことよりも、意外なほどよく写るという感想のほうが大きかったですね。むしろ可笑しくさえありました。この価格で楽しめたら、もう元は取ったようなものです。ウィンドウで寂しそうに見えていたこのレンズは、こうして元気よく活躍することができました。めでたしめでたし。

(Photo & Text by 高山景司)
※撮影はすべてJpeg、手持ちで行っています。

タムロン80-210mmF3.8-4 103A

タムロン80-210mmF3.8-4 103A
https://www.tamron.co.jp/data/a2-lens/103a.htm
1981年発売
レンズ構成:10群13枚
最短撮影距離:0.9m
フィルター径:58mm
質量:634g
撮影で使用したレンズ: Bランク 540円(ニコン Ai-Sマウント) / クモリ、ホコリ

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